深煎りの山羊
「酸っぱいコーヒーが苦手!」
「古き良き喫茶店のようなコーヒーが飲みたいんだよ!」
そんな方々に向けて深煎り専門の珈琲ブランドを作りました。その名も「深煎りの山羊」
今日はそのコンセプトと魅力をお伝えいたします。
そもそも浅煎りが流行っているのはなぜ?
コーヒーの流れはサードウェーブ(第三の波)であるという事をご存知でしょうか?
・サードウェーブコーヒーとは?
サードウェーブコーヒーとは、2000年代に入りコーヒー業界に広まった新たな波、そこで提供されるコーヒーを言う。2002年頃からアメリカを中心に使用され始めたワードで、主な特長は次の4つ。
・シングルオリジン
・浅煎り
・ハンドドリップ
・ダイレクトトレード
コーヒータウン様より引用↓https://www.ejcra.org/column/ca_148.html
要するに?
シングルオリジンとはブレンドではなくストレートかつ農園まで分かっている所ということ
そして浅煎りの豆を丁寧にハンドドリップで抽出します。
※ダイレクトトレードとはマージンばっかりとる仲介業者を排除し直接トレードする事。
このサードウェーブがもたらした、浅煎りを丁寧に手でドリップする文化は正直言って素晴らしい、コーヒー豆の個性や品質をより味わえるし、コーヒーの果実のようなニュアンスを存分に味わえます。そのためスペシャリティーコーヒーが流行るのも当然の流れです。
それもあって僕のメインとする「珈琲郵便」では豆によってですが、浅煎り〜中深煎りで提供してきました。
深煎りは「悪」なのか?
深煎りにするとコーヒー豆はどうなるのでしょうか?
それは豆の個性が弱くなり、特徴が薄れ、苦いだけになる。そんなイメージがあります。
しかし僕の「珈琲郵便」のお客様の中には、モカをあえて深煎りで頼む方や(モカは浅煎りにして柑橘系のような酸味を楽しむのが王道ではある)深煎りがあうブレンドを強く好む方などが多くいらっしゃいます。
そこで焙煎度はやはり好みなのだなと当たり前の事に立ち返りました。しかし共通して感じるのは「酸味が苦手」という事。
コーヒーは嗜好品
コーヒーの「酸味」は決して悪い事ではなくコーヒーの果実感や特徴、まさに個性を感じる上で必要不可欠なもの。苦手だと感じるのは本当にいい酸味を知らないのでは?
「そんな事サードウェーブの流行りで耳にタコができるほど聞いてるんだよ。酸味のあるコーヒーがただ苦手なんだよ」
コーヒーとは嗜好品です。好きか嫌いかで決めるだけのもの、世間が良いとか評論会でいいとか希少価値が高いとかそんなことはどうでもいい。ただ苦くて旨いコーヒーが飲みたい。
それにマンデリンの深煎りとグァテマラの深煎りが同じ味な訳がない。好きな銘柄を単純に深煎りにして飲みたいのは普通の事なのです。
反逆としてのヤギ
話が逸れますが、初めてコーヒーを見つけたのはヤギだという「カルディ」の話はあまりにも有名。そこでヤギは英雄です。
一方で聖書中ではヤギは「悪」として描かれます
逆に羊はいわば人間に都合の良い動物です、毛も取れるし肉も食べられる。群れで生活して扱いやすい。
しかし山羊は違います、山羊は従わない人の比喩として用いられていました。
それは山羊は扱いにくく、性格が凶暴だからです。
※迷える子羊という言葉がある通り、聖書中では羊は従順な人の、そして山羊は不従順な人の比喩として使われてきました。
もっと深煎りを楽しもう!
浅煎りが正義!酸味を楽しめないのはコーヒーが分からない奴だ!
そんな事誰も言っていませんが、そう言われている気がしていたのは焙煎店としての自意識過剰でしょうか?
僕自身、深煎りが好きなのもあって、もっと深煎りを楽しみたい!古き良き喫茶店のように苦くて深いコーヒーが飲みたい!
エスプレッソやカフェラテも楽しめる、甘いスイーツやミルクとも合うそんなコーヒーが大好きだ!
そう声高に言えるような深煎り専門のコーヒー店を目指しています。
全ての豆を深煎りにするだけなのに、ある意味でツノのように尖ったコンセプトかつ、悪者のような扱い。
ツノがある悪者の「深煎りの山羊」が
もう一度深煎りの魅力をお伝えできますように。
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