【3つの大切】コーヒー豆を冷凍保存するべきなのはなぜ?酸化するより悪いことがある!

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日本古来、あの食べ物との共通点

我々日本人は大のコーヒー好き大国であり、世界4位のコーヒー消費量、世界の5%を消費している。(味の素サイトより)

しかし日本人が毎日食べるアレとの共通点を知らない人は多いかもしれない…

それはお米である。共通点は大きな袋(米袋、麻袋)に入れて長期保存できるが調理してしまうと(炊く、焙煎する)すぐに鮮度が落ちて悪くなってしまうということだ。

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前回の記事では「おいしいコーヒー」について解説したが、せっかく焙煎したての自分にとって「おいしいコーヒー」を見つけてもその鮮度をすぐ落としてしまうような保存方法をしていたら台無しである。しかしコーヒーの保存法にまでこだわっている人は割と少ない。

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結論からいうとタイトルにもある通り「気密容器に入れて冷凍保存」がベストだ。しかしなぜなのかを今日は解説していこう。

豆のまま。

挽かずに豆のままの方がいい理由。

そもそもなぜ豆を挽くのか、それはもちろん豆を丸ごとお湯に浸けても成分は溶け出しにくい、その為細かく挽くことで固く脆く変化した細胞壁の中にあるコーヒーの色、香り、旨味など全ての成分が混ざった油分とお湯を最大限密接させる事でその成分を溶け出させる。そしておいしいコーヒーを抽出しているのだ。

つまりお湯とおいしい油の設置面積が増えるという事。だから豆を挽いただけで香ばしくて良い匂いが広がるのだ。

匂いが広がるという事は…

もうお分かりだろうが豆は挽いた途端に香りや成分の酸化も早くなり、豆の時よりも5~10倍劣化が早くなる、つまり豆での保存が鉄則である。

酸化するより悪いこと

焙煎したての豆も時間が経つにつれてだんだんと膨らまなくなり、味もどんどん劣化していく、酸化して味や香りが悪くなるというのはよく聞く事だろう。しかし旦部幸博先生による「コーヒーの化学」によると、豆の劣化は3タイプに分けられ、厳密には酸化が関わるのは1つ(酸敗)だけで他の2タイプの方が重要だという。 

以下文

Aステイリング:
焙煎時に生じたクロロゲン酸ラクトンやキナ酸ラクトンは水分子と反応すると容易に加水分解されてクロロゲン酸やキナ酸に戻り、pHが低下して酸っぱくなります。水分が多い時のみ生じる反応ですが進行は早く、ホットプレートで保温しているコーヒー液なら数十分、焙煎豆が吸湿した時にも常温1~2日で違いが分かるくらいに変化します。

B香りとガスの損失:
焙煎した直後から、コーヒー豆からは炭酸ガスと一緒に香り成分が抜けていきます。発揮性が高い香り成分ほど消失が早く、繊細な香りを持ち味とするコーヒーほど特長を失って凡庸になりがちです。またガスが抜けたコーヒーは膨らみにくく、豆の組織が「開きにくく」なるため、成分の抽出物効率が悪くなります。水分が少ない状況下ではもっとも早く生じる劣化で、常温ならいい10~15日で違いが分かるくらいに変化します。品質重視の自家焙煎店で「おいしく飲めるのは2週間以内」と言うのはこのためです。

C酸敗:
油脂分を構成する脂肪酸が空気酸化を受けると不飽和度(分子中の多重結合の割合)の高い脂肪酸になり、それがさらに酸化されると炭素数6~9程度の低級脂肪酸に分解さ れ、油の傷んだ嫌な臭い (酸敗臭、ランシッド)とpHの低下をもたらします。これが酸化による劣化ですが、進行は意外に遅く、違いがわかるくらいに変化するには常温で7~8週間かかると 言われています。

旦部幸博先生による「コーヒーの化学」

以上引用

さすが、医学博士でもある方の考察だ。ちょっと難しいが端的に言うと

A湿度を避けないと酸っぱくなる

Bガスが抜けるのを防ぐ

C酸化を防ぐ

これらを固く守れば比較的おいしいままでの長期保存が可能になるということだ。全てを守るのに最適なのが「気密状態で冷凍」という結論に至る。2週間で飲み切れなそうな時はジップロックかペットボトルに空気をよく抜いて入れ、冷凍すると良いだろう。

コーヒーは匂い移りしやすいこともある。気密は必須だ。Steve BuissinneによるPixabayからの画像

ただ一つだけ気を付けないと行けない事もある。それは「キンキンに冷えた豆を急に出すと結露して一気に吸湿する」ということだ。そのため飲む時は小分けにしてとりだすか、容器のまま常温に戻すなどの工夫をしてほしい。

以上、冷凍保存するべき理由について考えてきた。水分を嫌い、ガスの抜けを防ぎ、酸化を防ぐ事である程度長期保存できるという事だ。

ご飯を炊きすぎると余るから冷凍する事がある、結局溜まってくるとチャーハンにする他ない。まあそれはそれでおいしいんだけどやっぱりそのままで食べるには臭いが気になる。コーヒーも買いすぎるのは良くない。


そもそもコーヒーは長期保存が向いていないのだ。その為ここまで書いてきて何だが飲み切れる分だけ買うのがベスト。こまめに買うのは面倒かもしれないがおいしさをとるならそうするしかない。

そうと決まれば僕の焼きたてのコーヒー豆をぜひお試し頂きたい!
絶対に後悔はさせない、すぐ発送いたします(笑)

ではみなさんも楽しいコーヒーライフを。

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