【4つの法則】毎回おいしいコーヒーを淹れたい!味をブレさせないためには

ラーメン屋のカウンターに座るとお世辞にも清潔とも丁寧ともいえない店主がキッチンで忙しなく動き回る。

麺、スープ、メンマ、チャーシュー、もやしさまざまな食材が躍るように複雑に絡み合うがレベルの高い一杯をオールウェイズ出している。再現性が極めて高い。

反して
コーヒーほどシンプルな飲み物はない。

なのになぜかいつも狙った味にならない。もしくはあれ?昨日の方が美味しかったなぁとさえなる。なぜなのか?

誰かと一緒に飲む時にはもちろん、自分の為だけの一杯だとしても狙った味を淹れたい。

今日は狙った味を当たり前のように淹れるための基本的ルールを解説していく!

コーヒー抽出の要素

コーヒーを淹れるにあたって味に大きく影響する要素は4つある

1挽き目

2お湯の温度

3お湯と粉の比率(1:16)

4抽出時間

上から順に見ていこう

挽き目

この記事でなるべく挽き目が揃うミルを選ぶ事で「未抽出」や「過抽出」を防ぎ、美味しいコーヒーに近づく事がわかった。

そう、コーヒー豆を粉にするという事は単純に表面積を増やす作業であり、お湯との接地面積を最大化させる重要な工程である事は間違いない。

もちろん細かい方が表面積は広く、荒いと狭い。つまり単純な話、細かく挽けば濃くなり、荒く挽けば薄くなるのだ。そのため粒度は濃度を決める重要な要素になる。

そのためコロコロ変えるのはオススメしない!例えお湯と粉の比率に気をつけても粒度が毎回違うと味が変わるからだ。粒度は適切な中挽き(グラニュー糖ほど)で固定し、1つの基準として決めてしまった方がいいだろう。

挽き目が味の9割を決める。

温度

タニタの温度計、安くていい。

毎回わざわざ測るのは流石にめんどくさくてできないかもしれない。しかし温度が及ぼす影響を頭の片隅に入れておくことをオススメする。

お湯の最大パワーは100℃だ。

100℃の時が良くも悪くも味を引き出す、中煎りペーパードリップの場合は90℃くらいが1番バランスの取れた味になる。※温度は人によって諸説ある。

熱すぎると角の立った味に

低すぎると未抽出をおこす

90℃にするにはやかんからポットにお湯を移し、その他の器具を温めるなどしていると温度が下がってきてそのくらいになるだろう。ポットに移してからすぐ使わない事で温度を下げられる。

しかし90℃が全てではない。

焙煎度とエイジング(焙煎後から経った時間)によって温度を変えるべきだ。

⚪︎焙煎度

深煎りがよく膨らむのは経験からご存知の方も多いだろう。これは焙煎度が深ければ深いほどコーヒー粉の組織が柔化し、それほどのエネルギーを使わずに可溶性固形物がお湯に溶けるからだ。水分量が少なくガスの比率が多いことも理由の一つだが、膨らみ過ぎは適当な蒸らしを妨げる。また深煎りは濃度感が濃くなり過ぎる傾向がある。そのためお湯の温度を下げ、(88~℃)バランスを取るのが一般的だ。

逆に浅煎りはやや温度を上げ(92℃~)抽出するのがセオリーだ。

⚪︎エイジング

焙煎後すぐの新鮮な豆はガスが多い、そのためここに温度の高いお湯を注ぐとコーヒードーム膨らみ過ぎてしまい「蒸らし」が不完全になる。ガスが出過ぎてコーヒードームが噴火したり割れたりするからだ。(深煎りなら尚更)そのため焙煎したての豆は85℃以下で蒸らす事もある。

逆に古い豆は高い温度の方がいい。

古い豆(2週間以上立つ)はガスが抜け、鮮度が落ちている。そのため90℃以上の高温で味と香りを出す事もある。※しかしこれは苦肉の策である。古い豆は鮮度が落ち、温度だけではカバーできない。

お湯と粉の比率(1:16)

最も重要な要素だ、そもそも好みの味にしたいというのは好みの濃度にしたいともいえる。

アメリカのスペシャルティコーヒー協会(SCAA)によるとおいしいコーヒー濃度は1.15~1.35%がいいという。
詳しくはこちら(英語記事)↓

https://sca.coffee/research/protocols-best-practices

その他諸々の難しい計算式は理系の方にお願いするとしてコーヒーとお湯の比率は1:16がベストの1.15~1.35%の濃度になりやすいということだ

濃いと「味」が感じやすく

薄いと「香り」を感じやすくなる

しかし濃すぎると「雑味、渋み、酸味」を感じやすく、薄すぎると「旨味、コク、奥行き」が感じにくくなる

この狭間で自分の「好み」を知るためにこの1:16を指標にし、そこから調整していくのが1番の近道なのだ。

そしてコーヒーを淹れるときは20g~が美味しく淹れやすい、コーヒー粉が少ないと湯の当て方がシビアになりやすくコーヒードームを崩し雑味を引き起こしやすいからだ。

コーヒー20gだとお湯320ml

(小さめマグカップ2杯分か大きめタンブラー1杯分でちょうどいい。)

コーヒー(g)に16をかければいいだけだが一応早見表を作っておく。

コーヒー(g)お湯(ml)例えば
20320サーモスのタンブラー
25400軽量カップ2杯分
30480水筒くらい

※ネットにはドリップコーヒーのレシピなるものが存在し公表されているが、コーヒーの味はさまざまな要素によって構成されている為、個人的には味を再現できるのか疑問である。おおよその目安にするのが良さそうだ。

抽出時間

さて時間も大切な要素だ、この記事ではドリッパーの流速によって濃度感が決まるため好みのドリッパーはお湯の抜け具合で決めるといいと書いた。

つまり流速、かけている時間も味を大きく味に作用する。

抽出の肝となるのは蒸らしだ。

蒸らしはコーヒーの成分を効率よく抽出するための最重要工程である。

この工程を怠るとコーヒーのもつフレーバーを引き出すことができない。

蒸らしの時間は30秒~1分

15代ワールドバリスタチャンピオンの井崎英典氏によると「1分かけて行った場合、粉の表面抽出を促進し、溶解度が劇的に向上」し、コーヒーはより甘さを増し、舌触りも向上するという。

そして本抽出は蒸らしとは別に3~4分以内に終わらせるのがおすすめだ。

長時間の抽出は浸漬式と同じような雑味を引き出し、短時間の抽出は未抽出で終わる可能性がある。ここでいう抽出時間とはお湯と豆が触れ合っている時間を指している為、ドリッパーに左右されやすい。そのためお湯の抜け具合とお湯のスピードをよく調整して時間通りに淹れてほしい。

※いつものドリッパーかつお湯のスピードも適切なのにも関わらず抽出時間が伸びてしまう場合には挽き目に問題がある可能性がある。

まとめ

今日はコーヒーの味をブレさせないための4法則を解説してみた。

1挽き目は中細挽きで固定する。

2お湯の温度は焙煎度とエイジングによって変える。

3お湯と粉の比率(1:16)にする。

4抽出時間は蒸らし1分、抽出3~4分で行う。

以上を守る事によって味のブレを少なくすることができるだろう。
この法則は濃度感コントロールにも応用が効く。

今日もいつもの味を入れる為、お湯でも沸かすとしようか。

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